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『読みました』報告スレッド その2

1 :名無しのオプ:2010/09/09(木) 22:31:06 ID:DvRfdtwd
読んだミステリーの感想を書きましょう。

661 :名無しのオプ:2011/01/23(日) 20:28:10 ID:uW6BEh0h
書斎の読後論考は本当に素晴らしい。

662 :名無しのオプ:2011/01/23(日) 23:01:37 ID:A5NmQt1u
☆でつまつ君と愉快な仲間達☆ (アニメ映画板)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/animovie/1295420233/

215 :少年でつまつマン ◆Ll9UkTCzt.lA :2011/01/23(日) 22:10:46 ID:Q4DGwchw
ミステリ板が恋しい(/_;)

216 :少年でつまつマン ◆Ll9UkTCzt.lA :2011/01/23(日) 22:11:41 ID:Q4DGwchw
ここは意地悪な人がいゆ(/_;)

218 :少年でつまつマン ◆Ll9UkTCzt.lA :2011/01/23(日) 22:26:19 ID:Q4DGwchw
ミステリ板が恋しい(/_;)


スレが立って数日でもう爪はじきにされて泣き言言ってるよ、馬鹿書斎ww

663 :名無しのオプ:2011/01/24(月) 03:19:53 ID:h34o6wo5
「ベヴァリー・クラブ」読了。
たぶんそうじゃないかな、と思っていた通りの結末だったけど、面白かった。
本屋で見かけたら買って損はしないと思う。特にミステリ歴が長い人にはお薦め。

664 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/01/24(月) 21:44:43 ID:Nji/vcz1
「ベヴァリー・クラブ」と「警官の証言」はレトロな探偵小説の雰囲気だけ
堪能出来ればOK程度の作かと思う。


665 :名無しのオプ:2011/01/25(火) 13:10:35 ID:txjY6B5T
読んだこともない本をいちいち否定するキチガイは死ね。

666 :名無しのオプ:2011/01/25(火) 22:38:30 ID:lT1BERvZ
誰に向かって喋ってるんだ>>658はw
ここが掲示板だって理解してないっぽいな

667 :名無しのオプ:2011/01/25(火) 22:46:28 ID:IHR4qeHD
ここは書斎と>>1とがキチガイ度を晒すためのスレw

668 :名無しのオプ:2011/01/26(水) 02:42:50 ID:1WL4vIC+
安東「撃てない警官」を読了。新聞のレビューが良かったので読んだけど、あまりおもしろくなかった。
事件が小粒なのはいいとして、「推理」するシーンが少なく、登場人物の魅力も薄い。
>>663俺も「ベヴァリー・クラブ」読んだ。俺はあんな結末とは夢にも思わなかった。かなり驚いたよ。

669 :名無しのオプ:2011/01/27(木) 02:02:39 ID:JGCXL7pR
城平京「名探偵に薔薇を」読了。ずっと積んだままですっかり忘れてた。
タイトルがちょいとアレだが、結構面白かった。特に第1部「メルヘン小人地獄」が良かった。
この話はどこに行くんだろう?というワクワクした気持ちは久しぶり。
それにしてもこの作者、最近何してんだろ。全然聞かないけど、まだ書いてるのかな。

670 :名無しのオプ:2011/01/28(金) 10:45:28 ID:oAHCMgd7
「見当たり捜査官」(戸梶)読了。

このひとの底辺層の描き方が好きだ。
スーパーマン捜査官がエリート相手にモテモテで事件
解決とかじゃないとこがいいよ。

671 :名無しのオプ:2011/01/29(土) 01:42:03 ID:UTNOtRn8
カー「三つの棺」を久しぶりに再読。いつ読んでもトリックが頭に入らない。それでも面白いんだよなあ。
昔買った本は、土の中から手が出ている表紙だったけど、今回買ったのはタロットカードみたい…
んんんんん?何げにネタバレしてないか、この表紙。

672 :名無しのオプ:2011/01/29(土) 01:50:39 ID:fxYA04zp
書斎のために必死だなw

673 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/01/30(日) 01:30:58 ID:xUgbPwWB
しばし、「銭形平次捕物控」に関して書いてみたく思う。
「銭形平次捕物控(四) 城の絵図面」を読んだ。
早速だが、大好評の収録作品全話講評逝ってみようか!!!
「くるい咲き」
意外な動機というミステリ的趣向はあれど、基本は平次談らしい人情噺。
可も無く不可も無くと言うたところか。
「兵糧丸秘聞」
秘薬ネタでなかなか面白い。
「人魚の死」
いわゆるプール殺人事件だが、トリックもそれなりに出来ている感あり。
「美女を洗い出す」
フランス・サスペンス・ミステリのようなタイトルだが、サイコ・ミステリの
如き展開と相成る。まずまず読ませるものあり。
「城の絵図面」
偶然性に頼ったものとはいえ、本物と偽物の絵図面が交錯する展開が面白い。
「黒い巾着」
ダイイングメッセージねた。おみくじに着目したのは、なかなかの慧眼か。

674 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/01/30(日) 01:31:50 ID:xUgbPwWB
「大盗懺悔」
池波作品にありそうな盗賊談。美女の拷問シーンとか正にオトナの読物という
感あり。
「十手の道」
表題作と同じく武家ネタ。美女に酷い運命ってのはシリーズのデフォ化して
いるという感あり。
「どんど焼き」
江戸風物をあまり書き込まない「あらえびす」には珍しく「どんど焼き」が
メーンに出て来るネタ。密室トリック好きは必見や。
「十七の娘」
若い娘の連続殺人。やや偶然性に頼った部分もあるが、
本巻の締めとなる作だけあって、書き込めば長編ミステリとしても
いけそうな作。出来から見れば、「城の・・・」ではなく本作をタイトルに冠するべきであった。


675 :名無しのオプ:2011/01/30(日) 04:10:40 ID:sjybDhj/
初野「空想オルガン」読了。やべ、3部作なのに、2部目を読まないで読んじゃった。
1作目と比べると今ひとつだけど、そこそこ面白い。ハルタのお姉さんが登場するが、……正直イタイ。

676 :名無しのオプ:2011/01/30(日) 11:09:01 ID:idQoGtBn
俺なんかは退出ゲームや初恋ソムリエより空想オルガンのほうが好きだがなぁ

677 :名無しのオプ:2011/01/30(日) 19:12:26 ID:Tw8/HumQ
コピペ荒らし君は、>>644に答えられない以上、
どう言い繕ってもただの荒らしなんだけどね

678 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/01/30(日) 21:04:29 ID:79pM1Hs6
野村胡堂「銭形平次捕物控(十三)青い帯」を読んだ。
おなじみ収録作品全話講評逝ってみよう!!
「土への愛着」
百姓の土地に対する愛着をメーンに据えたこのシリーズらしい人情噺。
格別に語るべきものはない。
「お由良の罪」
タイトルが意味深。ビッチという現代語を想起する者も多かろう。
人間ドラマとしてなかなか面白く書けており、表題作は本作でも良かったかも。
「矢取娘」
弓を利用したトリックがまずまずの面白さ。
「唖 娘」
現代ではNGタイトルだが、八五郎の悲恋(?)ネタとして読み逃せない。
「青い帯」
締めで書かれた現代でも通じるような平次の人間観が印象的な一編。
「辻斬」
平次十八番の投げ銭も映える。スリリングな作。
ただし、その分、謎解きミステリ色は薄いのは残念か。
「弥惣の死」
J・Dでも書きそうな殺人トリックがちと面白い一編。
まあ、それだけとも言えるが。
「月の隈」
これもJ・Dの「囁く影」とか想起させる作。やはりそれだけなんだが・・・
「お吉お雪」
犯人設定ひとつ見ても平板な作。これは文句無しの駄作でしょ。
「仏 敵」
密室殺人もの。
単純で地味ながら、それなりに筋が通った解決が成されるのは良し。

679 :名無しのオプ:2011/01/31(月) 01:57:31 ID:rOgZqQh3
「犬なら普通のこと」読了。犬が出てこなくてびっくりした。
沖縄行ってみたいなあ、という気持ちになりづらいけど、
2日ぐらい暇をつぶすにはもってこいの小説。

680 :名無しのオプ:2011/01/31(月) 13:22:47 ID:DHWify50
これで捕物帳について何か論を述べるというならまだしもwww
結局バクリ感想だからそこまで踏み込めないんだな死祭w

681 :名無しのオプ:2011/02/01(火) 01:38:27 ID:pugS8P4W
「悪魔パズル」読み終えた。ハラハラドキドキ面白かった。
でも訳者も書いているが、プロローグがない方がよりドキドキしたと思うんだよね。

682 :名無しのオプ:2011/02/01(火) 17:50:41 ID:zXaohiKX
歌舞伎町セブン、読了。
何これ、ウルトラセブンへのオマージュかなんかですか?w
どうも続編臭ぷんぷんなんだが、たいして目新しくない。

683 :名無しのオプ:2011/02/01(火) 19:09:32 ID:lFO51vKW
書斎と>>1が必死になっているスレはここですか?
まあ静かでいいけど。

684 :名無しのオプ:2011/02/01(火) 21:55:33 ID:JUndUKyJ
アントニイ・バークリー「試行錯誤」が読みたかったけど、もう絶版で手に入れるの難しいだろな
と思って戸棚漁ったら「トライアル&エラー」の時に買ってたwでも字がめっちゃ小さくて読みづらいwww

685 :名無しのオプ:2011/02/02(水) 00:42:26 ID:u8dA6Twa
倉知「こめぐら」「なぎなた」読了。全体的になんか今ひとつ。
「見られていたもの」(「なぎなた」所収)は悪い西澤保彦という感じだった。
良かったのは「闇ニ笑フ」(「なぎなた」所収)、「さむらい探偵血風録 風雲立志編」(「こめぐら」所収)。


686 :名無しのオプ:2011/02/03(木) 17:51:27 ID:LDjPzmjD
ブックオフで購入
阿刀田高「夜の旅人」

脂が乗り切ってる時期でも長編はアレなんだな……
氏の既刊のエッセイと内容文章ともに変わりないのがすごい

687 :名無しのオプ:2011/02/03(木) 18:07:47 ID:00dJwsGq
隔離スレじゃなくてもコピペ爆弾投下してる荒らしが逆ギレワロタ。

688 :名無しのオプ:2011/02/03(木) 20:20:39 ID:s0ATwsPS
梓崎優「叫びと祈り」読了。一つ一つとっても面白かった。
特に「凍れるルーシー」は最後が凄い。読んで損はない短編集だと思う。

689 :名無しのオプ:2011/02/03(木) 23:11:52 ID:qqAcWVD2
ID:lYRZjaRj必死すぎw

690 :名無しのオプ:2011/02/05(土) 01:50:28 ID:MS/uiool
芦辺拓「綺想宮殺人事件」を読んだのだが、途中から話が大きくなりすぎて……。
で、最後に「森江すごいぞ、バンザーイ!」となるのだから、白けたなあ。もうこれは伝統芸ということでいいや。

691 :名無しのオプ:2011/02/05(土) 09:34:55 ID:Sxm+C0rT
>>690
芦辺はわけのわからん日本人批判に虫唾が走る
島荘のはただの外国かぶれってことで許せるけど
こいつはダメだ
こいつはリアルな左翼だ

692 :名無しのオプ:2011/02/05(土) 11:55:08 ID:Ac35yhF1
>>691
それなのに右寄りの讀賣新聞に勤めてたんだよね。
よくわからん人だ。

693 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/05(土) 23:16:44 ID:VuCi6vtq
本来はホラーは板違いなのだろうが、ミステリ作家の手による「ミステリ」
としての読み方が可能な作も含んだ作品集を紹介しておこうか。
都筑道夫「深夜倶楽部」を読む。
読み始めて気付いたが、新刊時(随分と前になるが)に
既読の連作短編集であった。
狂綺堂の「青蛙鬼談」等の怪談を愛読する筆者としては、
明らかにこのスタイル(百物語形式)を意識した構成に惹かれて
手にしたのであろう。
感想は暇潰し程度にはOKだが、あまり面白くはない。
と言うたところか。
時代性の違いはあるが、ストイックなタッチが魅力の綺堂怪談とは
異なり、ミッチーなりの読者サービスなのかセックス、お色気絡みのねた多し。
(「姫はじめ」なんていうまんまのタイトルの作もあり)
結果的にこれが恐怖感を殺ぐような結果になっているのが残念だ。
ミステリと違い謎の解明は不可欠ではないので、作者ミッチーが思わせぶりに
楽しんで書いているのがわかる。

694 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/05(土) 23:17:54 ID:VuCi6vtq
収録作品全話講評
「死びと花」
それなりにこってりしたオーソドックスな怪談(生霊ネタ)だが、
合理的な解釈も可能かと思わせる点がミソか。
この後に話されたという、遂に書かれず終った「十年前のニューヨークの話」
も読んではみたい気はする。
「鏡の国のアリス」
お色気が強調された鏡怪談。
語り手のエディターからひとつの疑問点が呈されてはいるが、
これも一応合理的な解釈が可能という締め。
「姫はじめ」
3話構成。怪談は昭和10年代を舞台に講釈師が主人公の2話目のみ。
1話目は江戸時代末期を舞台にした町絵師が主人公のエロティックで
猟奇的な奇談、3話目は現代艶笑談とでも称すべき作。
まあ、どれも楽しく気軽には読めるわな。

695 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/05(土) 23:18:34 ID:VuCi6vtq
「狐火の湯」
山中の温泉を舞台にしたお色気たっぷりな怪異談だが、
友人の死体を見た女のそっけない態度、最後の宿の主人の醒めたコメント、
この辺に何かありそうに思わせる含みが読ませどころかも。
「首つり御門」
残酷でホラーな設定にもかかわらず、登場キャラたち掛け合いで落語を見ているかのような軽快さがある作。
作中でも言及される「そこつ長屋」、作者のなめくじ長屋シリーズを想起させる
タッチである。「馬頭等誌」(めずらし)にはワロタ。
「幽霊屋敷」
オーソドックスなゴーストストーリーかと思いきや、
予想外のハチャメチャ展開を見せる作で、まずまず楽しめた。
本作は超常現象前提なのが難だが、心霊現象と思わせて超能力か、
これはマシスンの「地獄の家」とは反対のパターンやね。
トビー・フーバーの「ポルター・ガイスト」とはどちらが先だろうか?
・「夜あけの吸血鬼」
これはタイトルからネタばれ気味の失敗作でしょ。
親子二代で謎の母娘に遭遇するという点は凝っているが、
際立った意外性も無いし、それなりの謎解きも無し。
これが締めの1作なのは惜しかった。

696 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/06(日) 09:37:41 ID:3aLgiMwe
野村胡堂「銭形平次捕物控(五)金の鯉」を読んだ。
「路地の小判」
地味過ぎるタイトルだが、意表を突く小判の隠し場所といい、
意外な犯人設定といい、まずまず読ませる作に仕上がっている。
「二度死んだ男」
最後の八五郎の台詞に「捕物はつまらねえが・・・」とあるとおり、
ミステリとしては駄目駄目。
犯罪を招いたガイシャの趣向が落語的で面白いといったところか。
「二本の脇差」
ミステリ色よりも人情噺色が強く出た作。
こういう作は人により好みが分かれえよう。
「金の鯉」
ダイイングメッセージねた。
お堂に関係者一堂を会した名探偵平次の謎解きという舞台設定は面白いが、
内容そのものは平板。
「殺され半蔵」
実質的な主人公は遊び人だが忠義に厚い中間、タイトルにも名を冠された
半蔵である。平次談のひとつのパターンであるご家中のいざこざネタ、
これもメーンは人情噺である。

697 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/06(日) 09:40:02 ID:3aLgiMwe
「幽霊にされた女」
見世物のお化け屋敷をクライマックスに持って来た活劇色が強い作。
まあ、読んで楽しくはある。
「赤い痣」
人気シリーズにありがちな主人公偽者ネタ。これも活劇色が強く、
投げ銭合戦まであり。これもまあ気軽に楽しめるエンタメではある。
「幻の民五郎」
締めはミステリ色を前面に出した怪盗ネタにご家中ネタが絡む。
眠狂四郎シリーズあたりにありそうなお色気ありな作だが、
真相は見え見え。
*なお、「呪いの銀簪」「江戸阿呆宮」は、「奇譚 銭形平次」に関する
論考を参照されたし。

698 :名無しのオプ:2011/02/06(日) 09:57:41 ID:Lhie7FHk
コピペ乙

699 :名無しのオプ:2011/02/06(日) 11:31:06 ID:m8lN/z9s
♪読んでないのに読んだフリ
なぁぜ?
なぁぜなの〜♪

700 :名無しのオプ:2011/02/06(日) 22:30:03 ID:t0lu2uy3
小島正樹「扼殺のロンド」読了。
さくっと読めて面白い。島荘を軽くした感じ。
これといって何も後に残らないので、時間をつぶすのにもってこい。但し登場人物がちょっと中二病っぽいので、注意が必要かな。

701 :名無しのオプ:2011/02/09(水) 18:46:40 ID:LXsLCu2g
歌野昌牛の長い部屋読了
これは見事に騙されましたねー




島田荘司の推薦文に
ミステリ史に残るトリックだそうですが
読者の8割は屋敷の見取り図見た段階でトリックを看破する。
探偵役が魅力なし。
まあその後活躍したので才能を発掘という観点からは意味がある作品なのでしょうが


同じトリック二回も使うなw

702 :名無しのオプ:2011/02/09(水) 23:21:40 ID:RpOcAME+
葉桜の季節に君を想うということ

なんか詐欺に引っかかった気分だ……謝罪と賠償を要求する
ってまあこんな意見が出てくる俺には作者のメッセージが伝わってないんだろうけど
いや言いたいことはわかるけど、でも、けどさあ、ねえ

703 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/11(金) 09:06:58 ID:2ofk1WJP
「銭形平次捕物控(十四)雛の別れ」を読んだ。
収録作品全話講評
「駕籠の行方」
平次が犯罪者にシンパシーを示し過ぎるラストがひっかかるが、
八五郎の追跡談から始まり、シリーズ十八番のご家中ネタへ展開、
それなり読ませるものあり。
「雛の別れ」
おなじみ大店の犯罪な一編。和風ジョンなトリック、意外な犯人と工夫は
凝らされている。
「井戸の茶碗」
本作の売りであろうアリバイ工作もありきたりで、落語かおなタイトルが
少し面白く感じられるだけの作や。
「仏師の娘」
まあ、アーティスト気質による犯罪とでも称すべき異色作。
「火の呪い」
連続放火犯グループと平次&八五郎の対決を描いた推理より活劇中心な作。
ゆえに鬼平っぽい。

704 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/11(金) 09:07:38 ID:2ofk1WJP
「鐘五郎の死」
密室ちゅーより、不可能犯罪ネタ。保護色に着眼したトリックはなかなか
面白い。平次に助力を請う同業者、三河町の佐吉のネーミングは、
三河町の半七+人形佐七か。この辺のお遊びも面白い。
「紅いしごき」
犯人設定に矛盾(剣の腕前は良いのか悪いのか?)が生じており、
偶然性も強過ぎる展開で、出来は良くない。
「第廿七吉」
十八番のご家中ネタだが、二転三転する展開でサスペンスミステリとして
面白いものあり。
「父の遺書」
このシリーズを読み慣れていると、犯人は見え見えのうえ、犯行方法が
上手く行き過ぎという感あり。駄作の部類に入るかと思う。
「五つの命」
子供誘拐ねた。でも土蔵を見落としていたってのは名探偵平次として頂けない
ものあり、まあ、凡作でしょ。

705 :名無しのオプ:2011/02/11(金) 09:13:34 ID:H+CX4NL8
おもしろいとか凡作とか・・・

そんなことしかいえないんだったら書くなよ

706 :名無しのオプ:2011/02/11(金) 11:52:28 ID:unowZMKK
一連の駄感想文を見て思ったこと。


書斎は銭形平次も読まんと「捕物帳は半七しか認めない」とほざいていたんだなw

707 :名無しのオプ:2011/02/11(金) 20:54:35 ID:lDdAfQxO
一言コメントでどこまで論考できるか、書斎は挑戦して成功を収めている。
おもしろいとか凡作という言葉の背後をこそ慮るべき。

708 :名無しのオプ:2011/02/12(土) 04:40:38 ID:2hT66APW
その程度のことしか書けないと言うだけなのに何が挑戦だなにが成功だ馬鹿w
そういう自己賛美する前に実際に本を読んでみろ役立たずのごく潰しw

709 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/12(土) 11:47:22 ID:6XjufeEa
「銭形平次捕物控(十五)茶碗割り」を読んだ。
収録作品全話講評。
「二枚の小判」
平次版贋金つくり。偽小判の和風隠し場所がなかなか面白い。
「権八の罪」
大店の犯罪ネタだが、ありきたりな人情噺に終始した感あり。
「仏喜三郎」
まあ、動機から見て犯人見え見えだし。平次談にありがちな人情噺に
止まったという感あり。
「茶碗割り」
烏賊もの、トリカブトねたである。ご家中ものと並んで平次談には多い
大店の事件もの。格別面白いといった作ではない。
「蜘蛛の巣」
タイトルに冠された蜘蛛の巣は小ネタに過ぎない。
なぜか蜘蛛の習性にまで詳しい博学な平次親分という感あり。
「秤座政談」
これも大店の事件。ただし、名門の秤座という珍しい家業である。
この職に関する薀蓄を読むだけでも面白いかも。
「縞の財布」
みずから東北の農民出と認める「あらえびす」らしいアンチ武士色が
濃く出た作。狂綺堂はこういうのは書かないわな。

710 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/13(日) 12:00:31 ID:MugsBtmS
「彦徳の面」
間違いなく言えるのは、作者はジョンのプレーグコートを読んでるはずという
こと(w、後半の事件解決までのスピーディな展開は見物である。
これもこのシリーズの特色のひとつなのだが、「馬糞茸が化けて、仮に人間の
ヒネたのになったといった老人」等の、わけわからめで極端な形容も散見
されるのも面白し。
「遺言状」
江戸時代らしい道中トリックは面白い。ただしメーンのダイイングメッセージねたは今ひとつという感あり。
「槍の折れ」
これもトリカブトねた。うーん、年代順でなく編集するのであれば、
メーンなネタが被る作を同一巻に収めるべきではなかろう。

711 :名無しのオプ:2011/02/14(月) 13:57:24 ID:QQcJjsMk
賛否両論あるロートレック荘を読了しました
ストーリーも悪くないし、見事に騙されたけども、
あの目欄の手法はアンフェアではないの?


712 :名無しのオプ:2011/02/14(月) 14:10:30 ID:3wznCS6h
>>710
いいえ

713 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/14(月) 21:06:56 ID:09IHntvx
>>711
結局、叙述トリックはどう書いてもアンフェアと指摘される面が出て来る宿命にあるのだと思う。
これを書く作家は事前にその批判を覚悟の上でってことになろう。


714 :名無しのオプ:2011/02/14(月) 21:11:41 ID:4G4hObCl
>>713
おいおい走ってくるんじゃなかったのかよw
相変わらず嘘ばっかりなんだなお前はw

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/kin/1269932319/864
>864 名前:ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE 本日の投稿:2011/02/14(月) 20:56:52 ID:/TVpGo/l
>一走りして来るわ。
>雪の中を疾走する先生というイメージを活かしたオリジナルストーリーを構想中だお。


715 :名無しのオプ:2011/02/14(月) 21:15:13 ID:wCnwviw7
>>713
似たような感じの作品にハサミ男や蛍があるけど、それらは特別アンフェアとは
思わなかった(どこで見破るんだ?とは思ったけど)
でも、ロートレック荘の711の目欄はどう考えてもアンフェアじゃない?
他の作家(作品)でも使われた事がある手法なのかな?

716 :名無しのオプ:2011/02/14(月) 22:30:06 ID:Ry5/LOFe
>>715
ロートレック荘は解決篇になってムチャクチャ悔しかった覚えが
あるんだが、それは解決篇前にトリック(>>711メ欄)を見破るための
伏線(メ欄)がちゃんと理解出来ていたから。

当然そこからあのトリックは看過出来ていなければいけなかったのにと。



717 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 03:06:45 ID:jCPtKvhf
小泉喜美子の弁護側の証人読んだ
夏樹静子が好きなんで似た感じでよかった
レベッカとか出てきていい感じ
殺されたおじいちゃんがかわいそうだった
立派な人だと思った
なぜか道尾秀介が解説していた

718 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 05:29:38 ID:yYfFi8wx
>>716
看過じゃ君が言いたいことの正反対になるぞw

719 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 08:53:02 ID:/dLALKrZ
密室殺人ゲーム読んだ
思ったとおりの今っぽい作品でなんかイライラ 個人的につまらなかった

720 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 11:12:35 ID:j5B52fhd
>>716
後者の方は分かったけど、前者がよく分からない
もう少し詳しく教えて

721 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 11:23:32 ID:IXcO3Vvk
こっちも必死なんだなw

722 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/15(火) 21:41:39 ID:40nAueNx
アクロイド、蝶々、夜歩く、葉桜、ロートレック・・・
そしてマイナーな怪作とでも言うべき「狂嵐の銃弾」。
この辺を確認してみたが、うーん、あらためて叙述トリックの記述の難しさを
実感した。 何かミステリ作家にとっては禁断の木の実という感もある。

723 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 21:45:39 ID:Po4RtEn6
それはそれは

724 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 23:07:11 ID:jJ+t+2gn
悪の教典上巻読み終わりました。
王様のブランチで紹介されたあらすじと違う気がしますが、多分紹介されたのは下巻がメイン??
早速下巻も読みたいと思います。

725 :名無しのオプ:2011/02/15(火) 23:11:45 ID:mQaHihhz
追い詰められてこっちに逃げているのか書斎w

726 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 01:17:01 ID:G36oZ5hA
天使の囀り読んだぞ 読み終わったら朝4時だった。
線虫きめぇ

727 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 04:37:27 ID:UQpzFI8x
読んだ読んだと必死の書き込みw


わざとらしすぎて笑えるwwww

728 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 08:13:49 ID:Gu5XvvCE
書斎は読んだぞ!!!!!!読んだとも!!!!!!!!!

729 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 09:14:21 ID:Gfb2VUyz
フリーター、家を買う。
スルーと読めて面白かった
ナイチンゲールの沈黙
この作者の品の良さが好きだな

730 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 12:02:38 ID:tV6P5KmE
クリムゾンの迷宮
人間同士で殺しあってほしかったな
化け物になってしまったから萎えた

731 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/16(水) 19:51:06 ID:62wds6Fq
叙述トリックもの、書庫からNの野獣も出て来た。
格調がある作なので再読には堪えるのだが・・・
やはりこのトリックの書き方の難しさを感じた。
叙述トリックと言うが如しか。

732 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 19:57:10 ID:LzT9vx9m
これが叙述トリックだこれもだ、ってタイトルあげるだけでネタバレになるんだもんな
書斎のような馬鹿には楽でいいやな

733 :名無しのオプ:2011/02/16(水) 21:28:18 ID:ZN3ftPTa
>>716
タイトルってのが良く分からない
教えて

734 :名無しのオプ:2011/02/17(木) 21:23:33 ID:gH6IbjXU
もっとも過去「倒叙ものを理解しているのは俺くらい」と豪語しながら
歴史的代表作ですらまったく読んでいなかったことも露呈したからね。

普通の人には楽なことでも、書斎には一生実現不可能なことだったり
するからね。

735 :名無しのオプ:2011/02/17(木) 22:23:02 ID:62LrT2K0
大岡昇平の事件 読んだ。

ちょっと読んでから、映画を以前見ていたことに気づいた。
内容は残念ながら分かってて読むことになったけど、これはいい作品だな。

今発表してたら、直木賞受賞だろうな

736 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/18(金) 19:30:54 ID:aAY6YJIb
>>735
当時は日本推理作家協会賞受賞作品ってことに違和感大だった。
ミステリの定義が拡散した感がある今ならそんなこともないのだろうけど。


737 :名無しのオプ:2011/02/18(金) 19:43:31 ID:5qbsNuxW
メタボラ読みました

面白かったです
桐野さんの作品ははじめてでしたの
他に桐野さんのでオススメありますかしら?
教えていただきたいですわ!

738 :名無しのオプ:2011/02/18(金) 21:10:10 ID:7j9aa7ae
書斎
http://hissi.org/read.php/mystery/20110218/YUFZNllKSWI.html

自演
http://hissi.org/read.php/mystery/20110218/VTlGOEVXYUM.html

でつまつ(アニメ映画板)
http://hissi.org/read.php/animovie/20110218/Vm8xMWY5b2Q.html

自演(アニメ映画板)
http://hissi.org/read.php/animovie/20110218/VEZ0MlNyQTY.html

739 :名無しのオプ:2011/02/18(金) 21:10:37 ID:7j9aa7ae
誤爆失礼

740 :名無しのオプ:2011/02/18(金) 21:27:46 ID:dd/KLb4w
>>737
顔に〜天使〜ダークのミロシリーズ。短編は微妙。ミロの親父のやつ(タイトル失念)
アウト、グロテスクなど良作多し。初期の方が万人向けかも?最近のはアクが強いから。ただ、柔らかな頬は正直お勧めできない。

741 :名無しのオプ:2011/02/19(土) 01:13:47 ID:CHfSFeJN
>>740
ありがとうございます
気になったんですがメタボラで最後昭光は死んだのでしょうか?
自分は死んだと思い凄い切ない気持ちになりました
しかしさっきAmazonのレビューみたら違うのかなって


742 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/19(土) 14:41:03 ID:ShBRwGbh
野村胡堂「銭形平次捕物控(二)八人芸の女」
収録作品全話講評
「一枚の文銭」
シリーズおなじみの大店ネタ。謎解きそのものよりも、大店に蠢く人間像が
面白い。この辺は短編ながら横溝作品的魅力あり。
「大村兵庫の眼玉」
ちょいと異色なご家中ねたか。まあ、解決はこの時代ゆえリアルなのかも。
「綾吉殺し」
まあ、平次談らしい人情噺、それだけや・・・
「招く骸骨」
かなりグロい事件。奇談も書く「あらえびす」らしくはあるが、
ミステリとしては平板という感あり。

743 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/19(土) 14:41:46 ID:ShBRwGbh
「赤い紐」
うーん、俺が人情家平次でも取り扱いに迷ったであろうリベンジねた。
「二服の薬」
平次の目前で殺人が・・・犯人に怒りながらも見事な手口に感心もする
名探偵気質とでも言うたものが面白い。
薬ネタの犯行トリック、意外な動機とミステリとしてまずまず面白い。
「八人芸の女」
二人一役、一人二役が交錯する、なかなかに面白い作。
ただし、締めも人間ドラマとしてはそれでOK?感は拭い切れないものあり。
「雪の足跡」
雪の密室ネタ。竹馬トリックにはワロタ。
あらえびすは結構、ジョンが好きなんではないかな。
「お民の死」
タイトルネタばれ全開、
まあお民可哀想でもあるが・・・という一編。
だからビッチやずるい女が殺されて良いという理屈は無いわけだが。

744 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/20(日) 19:52:54.57 ID:7tygZxWg
野村胡堂「銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌」を読んだ。
第1巻ということもあってか、
怪奇性、猟奇性がある作は皆無に等しく、人情噺&捕物のスリルというこの
シリーズの特色が良く発揮された作がセレクトされているようだ。
前記した他社刊行の選集「奇譚」と比較すると、テーストの相異が実感
出来よう。
収録作品全話講評
「買った遺書」
大店ものだが、予想外の展開が面白い一編。
「平次屠蘇機嫌」
鬼平犯科帳シリーズの如き、盗賊捕物ネタ。
スリリングだがその分ミステリ色は薄いのが残念や。
「蝉丸の香炉」
これは大店を舞台にしたありがちな人情噺。つまらん。
「人形の誘惑」
これは長屋の惨劇・悲劇とでも称したい一編。犯人の意外性はありか。
「辻斬綺談」
平次も迷走させた辻斬御用の件。その正体は逆をゆく意外性あり。
「花見の仇討」
落語のようなタイトルだが、犯人の意外性は十分。

745 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/20(日) 19:54:29.66 ID:7tygZxWg
「碁 敵」
碁を道具立てにした着眼点そのものは面白いのだが、
展開にやや無理があるのが難か。ゆえに出来は今ひとつだ。
「お藤は解く」
名探偵お藤ちゃんか(w、ゆえに犯人が見えてしまう作でもある。
「双生児の呪」
まあ、いかに時代小説とはいえ、このネタは禁則とするミスオタもいようが、
最後の大川の捕物はスリリング。
健気な女御用聞きお品さんを救うため平次の銭が〜〜〜飛〜〜〜ぶ
「御落胤殺し」
うーん、タイトルからは大層な大捕物を期待したのだが・・・
しょぼいリベンジねたに終ったのは残念。

746 :名無しのオプ:2011/02/20(日) 20:06:24.68 ID:4i1kQppP
覗き趣味を満たすために外出していたという設定だろw
読んだフリはやめろってw


926 名前:ミステリ板住人 ◆22RAaWR.nE 本日の投稿:2011/02/20(日) 19:52:12.50 ID:Vn/5E4eD
余談ながら、先ほど一走りして来たところだ。

747 :名無しのオプ:2011/02/20(日) 21:02:03.75 ID:DNWIvYpx
普通、1巻から先に読まないか?
なんで土曜日は2巻からなんだろうなw

748 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/26(土) 17:24:22.67 ID:NJhd3Eos
谷崎潤一郎「台所太平記」を読んだ。
あの大谷崎の晩年のヒット作。
コンパクトに纏まった作だが谷崎家女中年代記とでも称すべきものである。
往年の作の如き、この作家独自の鬼気や艶やかさは無く、
陰翳も感じられないが、年を経て「瘋癲老人日記」等に顕著であった飄逸な
ユーモアがよりパワーアップされており、楽しく読める作に仕上がっている。
ミステリにも興趣を示し、「途上」等の実作も著した文豪だが、本作に関しては
ミステリ性を見出すのは難しいものはある。
解説にもあるとおり、行間からこの文豪と女中たちの実際のあり様は?
と推理してみるぐらいか。

749 :名無しのオプ:2011/02/27(日) 00:10:45.36 ID:WucD8uH4
歌野の「さらわれたい女」読了
普通くらいの面白さだったかな


750 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/02/27(日) 16:17:22.28 ID:MKxju6GI
水上勉「寺泊 わが風車」を読む。
一時期(清張先生を筆頭とした社会派ブームの頃)にはミステリも書いた作家
の1冊として紹介しておきたく思う。
昭和50年代前半と水上氏が作家として最も油が乗った頃に書かれた十八番の
ジャンル私小説を集成したファンなら絶対に読み逃せない作品集である。
いずれも作者の実体験に基づき、人生の断面を切り取って見事な出来栄え。
粗製乱造された新刊ミステリに耽読している輩には突き付けて読ませたいもの
となっておる。
作者の青年期における寺修行の事実を知っていると、表題作のひとつ「寺泊」はタイトルまんまの話かとの先入観を抱いてしまったが、
本作は作者と思われる主人公が北陸の寺泊海岸で見かけた情景を描いた作で
ある。
この作から始まって、女郎蜘蛛を飼う少年期の友人を描いたホラータッチとも読める「太一」、亡くなった叔父の思い出を描いた「千太郎」、
タイトルそのままに棗に対する思い出を綴った「棗」、
若い頃に出会った遊妓とのエピ「冬日帖」、
作者の8月15日体験を綴る「リヤカーを曳いて」
ある寺の大黒の行く末を描く「山寺」、母親と同居していた別れた女との思い出を描く「踏切」、これら前半に収録された作品群は事件らしい事件は無いものの、
それゆえに私小説として一級品と言い得る出来栄えで読ませるものあり。
これに対し後半に収録された「雪道」「短かい旅」(生霊?ホラー要素はあり)
「わが風車」「墨染」「また、リヤカーを曳いて」「ながるる水の」は
表題作を除き、今ひとつという感あり。
特に最後にあげた作は作者の師匠である宇野浩二作品にも親しんでいないと、
強い興を惹くものではなかろう。ミスオタにはホームズものに関する著作で
も知られる長沼弘毅氏(必ずしも好意的に描かれてはいないが)が登場するのが留意点な程度か。

751 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/03/05(土) 21:02:39.77 ID:n+LsilAZ
山本周五郎「赤ひげ診療譚」を読んだ。
言わずと知れた周五郎作品の代表作のひとつ。
黒澤映画や小林桂樹氏主演のテレビシリーズも懐かしいものあり。
ミステリとして注目すべきは、解説(ミステリの翻訳でも知られる中田耕治氏が担当)でも指摘されているが、主人公の青年ドクター保本登が入院中の
美しい狂女に殺されかける第1話(「狂女の話」)の無理やりな二人一役ネタ、
長年における店賃無料の謎解き、落とし穴ネタもありな第7話「おくめ殺し」
に注目ってところかな。
当初は不満分子だった保本が、真の医療とは何かに気付き施療院に残る決意を
するラストは予想がついたが、同僚医師森半太夫の労咳の経過、お雪との関係はどうなったか、不満分子の津川医師の行く末等々、気にかかる点は全て書かれぬままに終る。
構成としては、保本の心理描写はあるものの、赤ひげこと新出去定をはじめ
他の登場人物のそれが皆無なのが残念かも。
これがあると、更に作品の深みが増したのにという感がある。
ただし、青年の精神的成長を描く教養小説としてはこれで良しとも言えようか。

752 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/03/06(日) 20:28:59.62 ID:O5ctQD+A
パトリック・クエンティン「悪魔パズル」を読む。
本格ミステリベスト10にランクインはしているが、
実態は記憶喪失ネタのサスペンス・ミステリである。
舞台は陽光輝くカリフォルニア山中の邸宅ではあるが、
カトリーヌ・アルレー、ボワロー&ナルスジャック、
セバスチアン・ジャプリゾ等のフランス・サスペンス・ミステリにありそうな
設定と雰囲気である。
ダルースという夫妻を主人公にしたシリーズの1作であるため、
冒頭から主人公が記憶喪失につけ込まれて、何らかの陰謀に巻き込まれているのは明らかであり、この点のサスペンスは皆無。
創元推理文庫に収録された「追跡者」のようなノンキャラ作品として
書いていれば先が見えない強烈なサスペンス作品に仕上がった可能性を秘めた作だったであろうと思われるのが残念や。
フーダニットとしては、一番怪しくない人物が犯人であるという法則まんま、
特にロリコン気味の椰子はころっとやられるかもなー(w
ちなみに俺は中盤であっさりとわかりました。
まあ、横溝作品にもあると同様な衝撃狙いの犯人設定れす。
ハードカバーの堂々たる新刊で出すほどの作とは思えず、
ペーパーバック相当のクオリティゆえ、日本では文庫相当程度の作ってことになろうか。

753 :名無しのオプ:2011/03/18(金) 09:13:54.13 ID:6/bNzp4m
「お台場アイランドベイビー」伊与原新氏
最近じゃなくて数ヶ月前に読んだ奴。
第30回横溝正史ミステリ大賞受賞で綾辻行人が帯に推薦文書いてたような気がしたけど、内容は本格じゃなくてハードボイルド
舞台は近未来で、東京に直下型の大地震が起こった後の街を描いている。
埋立地が液状化でくずれたり、治安が悪化して立ち入り禁止区域がもうけられたり、
外国人や貧困者が勝手にスラム街作ったり、武装警察が闊歩してたりする世界で、
「ちょっと現実離れしすぎの世界観じゃねwww」とか思いながら読んでたけど、
今回の東日本大震災見ると、ほんとに東京で震災になったらこういう世界になるかもなぁ、と急に現実感がわいてきた。

754 :名無しのオプ:2011/03/20(日) 08:27:56.74 ID:luUxXhCw
島田荘司『龍臥亭幻想』
ストーリーはそこそこ楽しめたんだけど、トリックや推理部分は
随分と強引というか力技だな〜と思った
誰か読んだ人いる?

755 :名無しのオプ:2011/03/20(日) 10:48:28.81 ID:eAyjtX6q
島荘はロマンチックさとあの力技が魅力なんだよ

756 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/03/21(月) 00:13:13.65 ID:O4iOQr59
>>754
トリックの基本的な発想は斜め屋敷と共通するものがあるかと思う。

757 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/03/21(月) 00:14:10.30 ID:O4iOQr59
野村胡堂「銭形平次捕物控(九) 不死の霊薬」を読む。   
収録作品全話講評
「死相の女」
タイトルだけは横溝ミステリを想起させるような面白さを期待させるものの、
いわゆる凡作。シリーズのパワーダウンを感じさせるものとなっておる。
「金の茶釜」
ミステリ的興趣は金の茶釜の隠し場所(これもいたってシンプル)のみという作。まあ、それだけ。
「敵討果てて」
冒頭の三河屋の集まりシーンでは、これから何があるのかと期待させるものが
あったが、父子の出会い等偶然性が強い展開に終始した凡作。
「三千両異変」
土蔵の千両箱を小道具に使った偽装トリックがちょい面白い程度の作と
いうたところか。
「百四十四夜」
タイトルにちなんだ秘密メッセージねたと盗賊話。
意外な盗賊の正体等、鬼平談のようなちょいスリルを味わえる作ではある。
「身投げする女」
八五郎メーンな作。あ秋ちゃんとのその後の成り行きが気にかかる?
「不死の霊薬」
今でも通じるような新興宗教ネタで読ませる。
シリーズ中の傑作「金色の処女」「南蛮阿呆宮」とか好きな向きには
お薦めの冒険談に仕上がっている。
「復讐鬼の姿」
独身時代の平次捕物談だが、本巻収録で他作にも顔見世する石原の利助が
以前はこんなに意地悪野郎とは・・
与力笹野新三郎を巡るリベンジ談だが、結末もすっきりしない(冤罪はあったのか?、リベンジャーである兄弟はマジであぼーんしたのか等々)もので出来はよろしくないという感あり。
「永楽銭の謎」
これも石原の利助との対立ねた。平次が投げ銭の名手ゆえに冤罪になりかける。
まあその辺がちょい興を惹く程度の作に過ぎない。
*「七人の花嫁」は「奇譚 銭形平次」に関する論考を参照されたし。

758 :名無しのオプ:2011/03/21(月) 03:39:03.45 ID:7u7bnFjB
読んでない、読んでない

759 :書斎魔神 ◆AhysOwpt/w :2011/03/21(月) 10:25:19.15 ID:EbisKqEL
角田喜久雄「髑髏銭」を読む。
日本伝奇小説の神髄、日本伝奇小説の頂点に立つ大作・・・とあるが。
正直言うて、知識人がマジで読むような類の作ではないです。
中卒・高卒の爺(最も当時は大学進学率が低く、珍しいことどころか恥ずべきことではなかったわけだが)が、老後に縁側で昼寝しているぬこの隣で
またーり読む程度の代物と言うたところか。
ヒーローとヒロイン(三四郎とお小夜)はステレオタイプとしても、
殺人鬼銭鬼灯は実は子供好き、蓮っ葉に見える女掏りお銀は人情家とか、
書いておけば、作者は「人間が描けてる」とか評されるとでも思うたのであろうか?
いずれも唐突で上面な印象を残すだけに終っているという感あり。
また、冒険小説的興趣をそそる肝心要な髑髏銭にまつわる浮田の八宝の件は
最後の最後に駆け足で記されるだけという展開、これじゃあ駄目っしょ。
まあ、角田翁が日本のH・R・ハガードに成る気がないOR成れなかった、
どちらかがわからんけどね。
いずれにしろ、「奇蹟のボレロ」「高木家の惨劇」と謎解きミステリでは、
まずまずの手管を見せた作者の時代小説だけに残念な出来であったとは言い
得る。
必殺シリーズ最高傑作と評されることが多い「必殺仕置人」の登場キャラの
念仏の鉄と鉄砲玉おぎんの元ネタが、この作にあったのがわかったのが
収穫ぐらいかな。
坊主姿の正義の怪人念仏の仙十郎、惚れっぽく気風が良い女掏りのおぎん、
念仏のキャリア(仕置人の鉄はマジで元僧侶)以外はまんまや・・・

760 :名無しのオプ:2011/03/21(月) 10:35:12.47 ID:7u7bnFjB
読んでない、読んでない、読めるワケがないw

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